WP#68 - パフォーマンス・インディケータ: データセンター冷却特性の評価と 視覚化

22 June, 2016 | White Paper

執筆者: Mark Seymour/Future Facilities Maira Bana/Future Facilities David Wang/Teradata Danny Cummins/Siemens Veerendra Para/IBM 寄稿者: Magnus Herrlin/LBNL James Betts/Stulz Jay Vincent/Intel HenryWong/Intel Chang Tsann/Dell Bob Landstrom/Interxion

グリーン・グリッド(TGG)は数年前より包括的なアプローチの必要性を認識し、生産性指標についてホワイトペーパーで説明しました。生産性指標は、1つのグラフ内に複数の指標を示す方法であり、データセンターの所有者/運用者はデータセンター・リソースの効率的な利用について検討することができます。しかし、一般論的なアプローチだったため、生産性指標の活用には至りませんでした。

このホワイトペーパーで紹介するパフォーマンス・インディケータ (Performance Indicator、以下PI) は、生産性指標と類似した考え方を取り入れています。PIでは、3つの重要な冷却特性指標(うち1つはPUEを利用した指標)を用いて、データセンター の冷却特性について、バランスの取れた理解を促します。

グリーン・グリッドがこの冷却特性指標を開発した目的は、評価対象の施設が、そのライフサイクル全体を通じて消費電力を節約する過程で、耐障害性の高い通常運用を続けながら、機器を保守運用できる能力を維持できるようにすることです。このホワイトペーパーでは、冷却特性指標として、IT機器の熱的適合性と熱的安全性について定義します。データセンターの所有者/運用者は、これらの指標を使用することで、許容可能な熱特性の維持と、エネルギー効率の追求との間に妥協点を見出すことができます。このホワイトペーパーでは、詳細な事例と併せて、PIの計算方法も示します。

さらに、長期的な視点でのPIは、これら3つの指標(つまり、冷却特性のみ)に限定されるわけではなく、その他の指標が定義されれば、それらにも対応できる可能性があることを説明します。

データセンター施設に関して全体的かつ正確な評価を行うには、施設の将来の状態ならびに現状を表す指標を計算・表示する必要があります。グリーン・グリッドは、モデリング、シミュレーション、電力および温度のモニタリングを推奨します。本ホワイトペーパーでは、これらすべての概念について詳しく説明します。

データセンターは複雑なシステムであり、各種の特性指標は通常、相互に関連しています。PIを使用すると、所有者/運用者が運用変更を計画する際にPUE等の1つの指標にこだわり過ぎることなく、結果的にキャパシティの無駄や、想定外のリスクを避けることが可能になります。


Topics: Performance Indicator