海外におけるデータセンター構築の課題と将来の展望:


テレンス・グラハム
Terence Graham
BroadGroup リサーチ・アソシエイト

BroadGroupのリサーチ・アソシエイトで、香港大学のリサーチ・アフィリエイト。現在、アジアにおけるクラウドコンピューティングとデータセンター、および、21世紀の情報インフラ構築に向けた共有デジタルアプリケーションサービスの導入に取り組む。また、香港政府のクラウド推進のアドバイザリーボードとして2年間の任期を務めた他、世界銀行、ITU(国際電気通信連合)、UNDP(国際連合開発計画)、APEC(アジア太平洋経済協力)、アジア開発銀行が主催するさまざまなプロジェクトに従事。米国スワースモア大学卒で、英語の他、マンダリン、ドイツ語、フランス語が堪能である。

講演概要:
本セッションでは、データセンター構築の観点から、ロンドン、フランクフルト、アイルランド、欧州諸国、CEE (中東欧諸国)、アフリカ、中国の状況を解説し、これらの地域を拠点としたデータセンター構築における魅力と動向について紹介する。

パフォーマンス・インディケータの活用方法:


マーク・シーモア
Mark Seymour
グリーン・グリッド技術委員会
Future Facilities Ltd. 最高技術責任者

30年以上にわたり解析ならびに実測業務、そして25年以上建物のHVAC業務に従事。2003年末にFuture Facilitiesを共同出資し、現在は同社CTOを務める。Future Facilitiesはデータセンタの気流・冷却能力の観点から設計・運用計画にもたらす影響に焦点を置いたCFDエンジニアリングシミュレーションサービスならびにデータセンタ向けエンジニアリングシミュレーションソフトウェア「6SigmaDCX」を提供している。同氏はSociety for the Environmentの会員であると同時に、筆頭著者としてPIのホワイトペーパーを執筆。また、ASHRAE TC 9.9の活動メンバーであり、米国科学財団 (NSF) のES2リサーチプロジェクトにおいて業界諮問委員会の議長を務める。

講演概要:
IT機器の省エネ状況を考慮したデータセンタのエネルギー効率を表す指標としてPUE(TM)が用いられている。例えば、データホール内の温度設定を上げ、空調設備の消費電力を削減し、PUEを向上させた場合、データセンタの潜在的能力をフル活用できるだろうか。この疑問に応えるため、TGG (The Green Grid) がデータセンタ業界の専門家と一緒に策定したのが、データセンタの冷却性能を表す新たな指標、パフォーマンスインディケータ (以下、PI)、である。PIは3つの評価基準で構成され、改善箇所の特定、設置前の事前検証、そして継続的な施設状況の管理をビジネスと技術の観点から、データセンタの性能を見える化することができる。施設とIT機器の運用管理は、日々変動するビジネスと技術要件によって決定されるが、他の業界同様にエネルギー消費に対する周囲からの圧力の高まりを受け、我々はより環境に優しく、コスト効率の高いデータセンタを構築していく必要がある。本プレゼンテーションは、ビジネス需要に合わせたデータセンタ運用を確実に行うためのPI活用方法ならびに必要性について紹介する。

進行役:

佐志田 伸夫
Nobuo Sashida
グリーン・グリッド 日本技術委員会
シュナイダーエレクトリック 株式会社 取締役 CTO
技術士(電気電子部門)

データセンターなどの電源設備・空調設備の開発・設計・コンサルティングに30年以上従事。
現在、シュナイダーエレクトリック株式会社にてデータセンターの計画、設計、コンサルティグなど技術全般を担当。

パネリスト:

中井 康博
Yasuhiro Nakai
日本電気株式会社 ITプラットフォーム事業部
シニアエキスパート

1983年、日本電気株式会社に入社。スーパーコンピュータSXシリーズ、メインフレームACOS-6シリーズ、UNIXサーバNX7000シリーズのプロセッサ、装置、システム開発に従事。2008年よりデータセンターを中心にエネルギー高効率化のソリューション企画・開発に従事、IT機器だけでなくデータセンター全体のエネルギー高効率化、顧客課題の解決に取り組む。2016年4月よりグリーン・グリッド日本技術委員会副代表を務める。

 

田口 栄治
Eiji Taguchi
元インテル 株式会社

1982 年インテル株式会社入社、CPU設計・開発支援CAD・IT技術担当、インテル全社的なIT基盤再構築のアジア地区プロジェクトリーダ、日本地区CIO、ア ジア地区IT技術統括部長を歴任し、インテルの成長を、IT技術のリーダーとして貢献。2000 年には東京でインターネット・データセンタ業務立ち上げ、日本及びアジア・パシフィックにおけるデータセンタ運用管理・顧客サービスを統括。2003年よ り 2008年まで、インテル©ソリューション・サービス部・技術統括部長として、ITコンサルティング業務によるIT業界活性化を支援。以降は、データセンター事業開発部にて、ICT市場開発のための基盤技術変革を推進する戦略的マーケティング活動を担当し、2016年6月インテル株式会社を退社。2008年7月から2014年 3月まで、グリーン・グリッド日本技術委員会代表を務めるなど業界活動へも貢献。

 

星島 惠三
Keizo Hoshijima
グリーン・グリッド日本技術委員会 代表
株式会社 NTTファシリティーズ
データセンタービジネス本部 副本部長

1992年に日本電信電話株式会社に入社。直流給電システムの開発、燃料電池システムの実証試験等に従事。2007年から2013年6月までNTTファシリティーズの米国拠点(サンノゼ)においてマネージャーとして、現地でデータセンター事業を展開しつつ、米国の最新技術、マーケットに関して調査実施。現在は、NTTファシリティーズデータセンタービジネス本部において、地球環境に配慮したデータセンターの構築や運営に努めている。2016年1月よりグリーン・グリッド日本支部技術委員会代表を務める。

パネル概要:
本年度4回にわたって開催した技術勉強会のまとめとして、講師の方々に参加いただき今後のデータセンターの方向性を熱をキーワードとしてディスカッションする。技術勉強会ではチップレベルの動向、サーバーの今後、冷却方式の今後について約2時間にわたりディスカッションを実施した。今回は、熱(電力消費)の観点から、データセンターが将来どのような可能性を秘めているのか?を技術的視点を中心に解読(解説)する。

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